月刊情報誌「みえネット」

みえネット 2006.5  NO,235

ふれあいインタビュー

顔写真
介護分野で初のビジネスモデル
オリジナリティで売り込み図る

伊藤 新生 さん 
有限会社 イトーファーマシー 代表取締役

プロフィール●伊藤 新生(いとう・しんせい)
1947(昭和22)年9月5日、四日市市塩浜に生まれる。神戸高校を卒業。東京薬科大学を経て、製薬会社に入社。17年間勤務後、独立し、鈴鹿市内に薬局を開局。その後、調剤薬局部門の設立に伴い有限会社化、社長に就任。1999年(平成11)年、介護保険施行に合わせ、ヘルパー養成事業を起こし、2000(平成12)年介護事業を開始、2001(平成13)年デイサービスを開始。


 世界でも有数の高齢化社会になった日本。介護問題は誰もが避けられない問題となっている。中でも、認知症の高齢者の介護は、時に家族の中に大事件を引き起こすこともある。こうした問題に調剤薬局からスタートして介護事業を手がけるようになった伊藤さんに話をお聞きしました。



−介護事業部門について教えてください。

 スタートは、介護保険が始まる前年のことです。現在の所に本店を移転し、新たな事業を行いました。そこでは、調剤薬局に関連した事業として介護事業の展開をしようと、まずヘルパー養成部門を設立しました。
 部門の責任者には、妻がなり、名古屋市内の専門学校に通い、社会福祉士の資格を取得し、保険制度施行と同時に居宅介護・訪問介護・福祉用具貸与の事業を開始しました。
 こうした、介護事業に乗り出したきっかけとしては、患者さんの情報の充実が、医薬の総合的な取り組みに欠かせず、介護事業をすることで、患者さんの情報がより充実し、医薬のより良い取り組みができる。そのことで、患者さんの生活がより改善されると考えました。


具体的にはどのような姿ですか?
 
工場内
 訪問介護で、直接患者さんの自宅を訪れたり、家族の皆さんと会話したり、環境に触れる機会のあるヘルパーさんから、飲んでいる薬の情報をもらうことが出来れば、副作用、飲み合わせ等種々のチェックが出来ます。薬局では、聞き取りにくい状況面を知ることは、治療効果を高めるためにも必要な観点だと考えました。特に、認知症の高齢者は薬の服用についての理解も難しい面があると思いますので、介護サービスの一環として含めることは、効果的だと見ています。チーム医療を行う意味で、医師・看護師のほかヘルパー、薬剤師の連携の体制を築くことが大事です。

  介護記録と評価システム(動作評価)例


−認知症の介護を対象にした「日本痴呆ケア学会石崎賞」をこれまでに3度受賞していらっしゃるとか?
工場内
 ええ。介護サービス終了後、携帯電話でインターネット通信をしています。平成15年度経済産業省IT活用型経営革新モデル事業で支援を受け、さらにバージョンアップしたものを今は活用し、サービスの充実を図っています。報告(携帯端末でのインプット作業)することで、データが日々蓄積し、状況の把握、問題点などを考えることに役立ち、しいては、進行の予測・防止にも役立てばと考えています。こうしたシステムは受賞した考えに基づいて構築してあります。
 さらに、このシステムの他事業者への販売にも力を入れていきたいと考えています。システムの導入により、業務の効率化・レベルアップができると考えています。今後も、データの充実を図り、認知症を含めた介護のためのツールとして活用してもらいたいと考えています。


−そんな伊藤さんの仕事にかける思いはどのようなものですか?
                                            携帯からできる介護システム例
 
 製薬会社に携わり、薬局を経て、介護事業を行っています。今を生きる生活の中で、本人・家族の苦労・苦悩は大変大きいものです。そんな、本人・家族のつらさに、少しでも役に立つ介護を目指しています。幸いにして、長年認知症の研究をされ、著作もある大家のご指導を、賜ることもできます。大きな企業ではありませんが、社会に貢献できる優秀な企業をこれからも目指して行きたいと考えています。         





  
有限会社 イトーファーマシー 会社概要

●事業内容= 調剤薬局、訪問介護、通所介護、福祉用具貸与、居宅介護支援事業 外観
●所在地 = 〒513-0818
鈴鹿市安塚町638-16
●TEL = 059-382-8490
●FAX = 059-382-8496
従業員数 = 31人
資本金  300万円
●URL = http://www.ito-pharmacy.jp/



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